消化・吸収・排泄という大切な役割をもつだけでなく、最大の免疫器官でもあり、さらには1億個もの神経細胞が存在することから「第二の脳」ともいわれている腸。
最近では「腸内フローラ」という言葉をよく耳にしますが、この腸内のお花畑(細菌叢)がきれいだと病気や肥満、老化を防いでくれるだけでなく、イライラや精神疾患などメンタルにも良い影響をもたらしてくれることがわかってきました。
ただ、体に有害なものをため込みやすい現代では、腸内環境が悪化して腸のはたらきが鈍ってしまいがち。
「何日も続く便秘や下痢がツライ」
「最近、便やおならが臭くなってきた気がする…」
など、腸内環境が心配な人も多いのではないでしょうか。
けれど、うれしいことに腸は3日~1週間程度の食習慣の改善で、また元のキレイな状態に戻すことができるのです!
そこでこのページでは、まず腸が汚れる原因や汚れるとどうなるのか、そして腸をキレイにするための方法をわかりやすくお伝えしていきます。
Contents
腸が汚れていると免疫力が低下。病気や老化の原因にも
そもそも「腸がきれい」とはどのような状態を指しているのでしょうか。
「腸がきれい」とは、腸内フローラ(腸内細菌叢)のバランスが整っている状態を指します。
人の腸には数百種類、数百兆個もの腸内細菌が存在し、重量にすると約1kgもあります。
この腸内フローラの様子は個人によって千差万別ですが、どんな人でも大きく分けると美と健康を支える「善玉菌」と病気や老化を招く「悪玉菌」、そして状況によりどちらにでも加勢できる「日和見菌」の3つから成り立っています。
人体に害を及ぼす「悪玉菌」ですが常に悪さをするわけではなく、消化・吸収などに重要な役割も果たします。
そのため腸内が善玉菌だらけなら良いというわけではなく、この3つの細菌のバランスが、
であることが理想的な状態とされています。
ところが、食べすぎや飲みすぎ、肉類ばかり食べるなど腸に負担をかける食生活を送っていると、腸のはたらきがに鈍って腸内環境が悪化し、悪玉菌が優勢に。
悪玉菌は腸内に腐敗物を溜め込んだり、有害物質を発生させて善玉菌の働きを鈍らせてしまいます。
腸内環境が悪化して便秘になり、腸が老廃物をため込んでしまうと、おならや口臭、体臭、吹き出物などがひどくなる上に、発がん性のある有毒物質が発生。
また、下痢になった場合は脱水症状や栄養失調を招きます。
さらに、私たちの体にある免疫細胞の約7割は腸に集中しているため、腸のはたらきが鈍ることで免疫力が低下。その結果、さまざまな病気にかかりやすくなってもしまうのです。
しかもそれだけではありません。
腸は「第二の脳」とも呼ばれ、猫の脳細胞数と同じ1億個もの脳細胞が存在しています。
また、ドーパミンやセロトニンなど私たちに幸福感を与えてくれるホルモンの9割が腸で作られており、うつ病や不安症などのメンタルヘルスと腸内細菌には深い関係があるといわれています。
つまり、悪玉菌が増えて「腸が汚れる」ことにより、免疫力が低下して老化を早めたり感染症やガンにかかりやすくなるだけでなく、精神疾患をも招く危険性があるのです。
腸か汚れるのはどうして?
腸に負担をかける食生活が腸内環境を悪化させると説明しましたが、食事だけでなく、生活習慣によっても悪玉菌が優勢になります。
具体的にどんな食事や生活習慣が腸の負担となるのかを見ていきましょう。
肉類中心の偏った食生活
肉類は消化が悪く、腸で腐敗することで悪玉菌のエサとなります。
特に牛肉など赤身の肉や高脂肪の肉は悪玉菌による腐敗を招きやすいため、少量をたまに食べる程度にしたほうが良いでしょう。
食物繊維が不足している
野菜などに含まれる食物繊維は善玉菌のエサになって善玉菌の働きを高めたり、腸内の老廃物を吸収し、便のカサを増す効果によって便通をよくしてくれます。
この食物繊維が不足していると、善玉菌の栄養源が足りずに悪玉菌が増殖。便の量も少なくなり便秘がちになってしまいます。
善玉菌のエサとなる乳酸菌やビフィズス菌・オリゴ糖を摂らない
発酵食品やヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌、大豆やバナナなどに含まれるオリゴ糖も、善玉菌のエサとなって善玉菌の働きを高めます。
逆にこれらが不足すると悪玉菌が増えてしまいます。
アルコールやタバコ、お菓子などの嗜好品
喫煙や過度の飲酒も、悪玉菌を増やす原因に。
多量のアルコールは腸を刺激し、下痢の原因となったりして腸内フローラのバランスを崩してしまいます。
また、甘いお菓子に含まれる糖分や油脂は悪玉菌のエサとなり、悪玉菌を優勢にします。
ストレスで消化不良に
腸内フローラのバランスは、ストレスでも変化します。
暑さ寒さなどの身体的なストレスはもちろん、精神的なストレスは自律神経に影響を及ぼし、胃が消化不良を起こして腸に腐敗物が溜まり、悪玉菌が増加します。
運動不足と睡眠不足
一見、腸とは関係なさそうですが、運動不足も腸内環境を悪化させます。
普段体を動かすことが少ないと腹筋や腹圧が弱まり、便を排出させようとする腸のぜん動運動が弱まり便秘がちに。
また、運動不足による血流の悪化も腸の働きを低下させてしまいます。
さらに、睡眠不足も腸の不調の原因になります。睡眠が足りないと自律神経が乱れて腸の働きが低下してしまうのです。
便意は副交感神経が優位になりリラックスした状態で生じるため、寝る間もないほど忙しすぎるとトイレのタイミングを逃してしまいます。
また、腸内細菌は人を睡眠に導くホルモン「メラトニン」の生成にも関与しているため、睡眠不足で腸内環境が悪化することでよりひどい睡眠不足に陥ってしまうという悪循環も生まれます。
加齢で衰える大腸の機能
食生活やストレス以外に、加齢でも大腸の働きは低下します。
特に40歳以降は大腸の機能が徐々に衰え、悪玉菌の割合が増えていきます。40代の人の大腸の弾力性は、20代の人に比べて70%程度にまで下がってしまうといいます。
40歳以降に体力の衰えを感じたり病気を発症したりする人が多いのは、腸の機能の衰えも深く関係しているようです。
低体温で腸機能が低下
一般的に36℃以下は低体温といわれます。
体温が低いと血流が悪化し、腸のはたらきが弱まります。
運動や入浴、腹巻の使用など、身体が冷えないようにすることも腸機能を高めるうえで重要です。
腸内環境をチェックしてみよう
自分の腸内環境がどうなっているかは、食生活や生活習慣だけでなく排泄物からもチェックできます。
腸の機能が低下すると、消化吸収と水分の回収、排出がスムーズにいかなくなり、下痢や便秘になります。
便秘や下痢は腸内環境が悪化しているわかりやすいサインといえますが、ほかにも排便の状況や便の状態、おならのにおいなどからも腸内環境を知ることができます。
✔ | トイレでチェックしたいこと |
便が出る時間帯が不規則 | |
便がゆるい、水っぽいことがある | |
いきまないと出ない | |
便が硬くて出にくい | |
残便感がある | |
コロコロした小さい便がいくつも出る | |
便の色がこげ茶や黒に近い | |
便のにおいがきつい | |
おならのにおいがきつい |
※便の色が黒ずんでいたり(タール便)、血が混じった赤色をしている人は体内で出血している可能性が高いため、すぐに専門医の診察を受けるようにしてください。
チェックの数が多かった人は、腸が疲労し悪玉菌が優勢になっている可能性があります。
ただ、持って生まれた遺伝子は変えられませんが、腸内環境はちょっとした努力ですぐにリセットできます。
腸内環境は寿命にも関係しているといわれます。
たくさんチェックがついた人もあきらめず、腸内バランスを改善するために、主に食事内容、そして生活習慣を見直していきましょう。
一番カンタンに、今すぐ腸内環境を整えられる方法を紹介していきます。
腸をきれいにするには食事内容と時間帯が重要だった
腸が汚れる原因は食物繊維や発酵食品の不足、肉類や甘いもの中心の偏った食生活であるとお伝えしました。
それなら、野菜中心にして発酵食品もたくさん摂ればいい!ということになりますが、腸にも1日のリズムがあります。
そのリズムに合わせて、必要なものをよりより形で摂ることが大切です。
腸をきれいにする食生活
腸内環境を整えるためには、1日3食しっかり摂り、腸に適度な刺激を与えてリズムを整えることが大切。
朝は排泄、昼は栄養の吸収、夜は消化という腸の1日のリズムに合わせて食事内容や食事のタイミングを考えるとよいでしょう。
朝 | まずは水を一杯。排泄をスムーズにする食事を軽くとる |
昼 | 栄養を吸収する時間。しっかりめに食べる |
夜 | 睡眠中に胃腸が休めるよう、寝る3時間前までに食事を終える。遅くなる場合は消化の良いものを少しだけ食べ、夜更かしをしない |
排泄のことを考えると、一番重要なのは、朝をどう過ごすかです。
朝は睡眠中に休んでいた胃腸を目覚めさせ、便通をうながすための大事なタイミングなので、必ず朝食を摂るようにします。
まずは起き抜けに1杯の水、または白湯を一気に飲んで血液の流れを良くし、腸をやさしく起こしましょう。
朝食はバナナなどの果物やヨーグルト、サラダ、野菜スープ、卵などがおすすめです。
目覚めたばかりの胃腸を酷使するような大量の食事や消化の悪い食べ物、香辛料や油たっぷりの刺激物は避け、消化の良いものを少量食べると良いでしょう。
昼食は野菜や炭水化物を中心に摂るのがおすすめ。
肉や魚などの動物性タンパク質とお米などの炭水化物を一緒に摂ると、お互いの分解が邪魔されて消化されにくくなってしまいます。
昼食にはかつ丼や生姜焼き定食、ハンバーガーなど、手軽でおいしいものをつい選んでしまいがちですが、肉類と炭水化物がセットになったようなものはあまりおすすめできません。
蕎麦やうどんなどの麺類や、動物性食品の少ないベジタブルカレー、おにぎりなどが良いでしょう。
夜は、寝ている間に肌や筋肉などをつくる材料となるタンパク質を中心に摂るのがおすすめです。
ダイエットしたい場合は炭水化物を摂らずに、お肉や野菜などのおかずだけを食べるようにします。
腸をきれいにするための食材やレシピについては、こちらも参考にしてください。
プチ断食でデトックス
1~2日間食べ物を控えることで、悪玉菌が優勢になった腸をリセットするというプチ断食。
しかし腸洗浄と同じように、何回も繰り返すのは腸に負担がかかり逆効果となってしまいます。
腸は栄養の吸収と排出を毎日することでリズムや体調を整えています。それを無理やり空っぽにするとやはり腸の働きが低下してしまうため、基本的には3食の食事から腸内環境をきれいにしていくようにしましょう。
それでもプチ断食を試みたい人に、腸に負担の少ない方法を2つ紹介します。
●24時間、水だけを飲むプチ断食
1日中家でゆっくりできるような日を選び、24時間、何があっても水だけを飲む断食です。
翌日はとてもお腹が空いた状態になりますが、急に元の食事に戻すのではなく、消化が良く胃腸に負担のかかりにくいおかゆやスープなどで食事に慣らしていきましょう。
●3日間、ゆるく続けるプチ断食
朝食は果物とヨーグルトと水だけ。昼はおかゆ、夜はサラダか温野菜。これを3日間続けます。
上記の食べ物であれば、お腹が空いたらいくら食べても構いません。3日はかかりますが、しっかり腸内をリセットすることができ、腸に負担もかからないおすすめの断食方法です。
腸をきれいにする食べもの
悪玉菌が増えすぎる原因のひとつには、動物性たんぱく質の摂りすぎが挙げられます。
善玉菌を増やすには、便通をよくする食物繊維や善玉菌のエサとなるオリゴ糖、乳酸菌などを食事の中から摂ることが大切ですが、そればかりにとらわれない姿勢も必要です。
健康な人の腸の特徴は「腸内細菌叢に多様性がある」こと。
たとえば納豆や海藻などは腸内環境を整えるのにおすすめの食材ですが、偏った食べ方をしていては多様性のある腸内フローラは形成されません。
このことをふまえた上で、下記の食材やレシピも是非とりいれてみてください。
<腸がよろこぶ食材の例>
プロバイオティクス(発酵食品に含まれる、生きた乳酸菌) | 動物性 ヨーグルト、チーズ、塩辛、アンチョビ、乳酸菌飲料など 植物性 納豆、キムチ、漬物、味噌、乳酸菌飲料など |
食物繊維 ※多くの食品には水溶性・不溶性どちらの食物繊維も含まれていますが、特に多い食品を挙げています。 |
水溶性 らっきょう、大麦、切り干し大根、にんにく、プルーン、じゃがいもなど 不溶性 おから、小豆、くり、大豆、枝豆など どちらも多く含む ごぼう、納豆、オクラ、ドライフルーツ、海藻など |
オリゴ糖 | バナナ、玉ねぎ、ねぎ、大豆、ごぼう、アスパラガスなど |
水(1日1~2L) | 50℃くらいの白湯や、胃腸に適度な刺激を与える炭酸水も可。なるべくこまめに補給する |
特定の食品だけにこだわらず、なるべくいろんな種類の旬の新鮮な食材を、バランスよく食べるようにしましょう。
ただ、赤身の肉は週1回程度に減らし、魚介類や豆類でタンパク質を補ってください。
また、乳酸菌はその種類によって機能も異なり、自分の腸内フローラとの相性もあります。
ヨーグルトで乳酸菌を補いたい場合は、同じヨーグルトを2週間~1ヶ月ほど食べ続けて便の様子や体調をチェックし、自分の体質に合っているかどうかを判断していくと良いでしょう。
腸をきれいにするドリンクレシピ
腸をきれいにしてくれるドリンクの簡単レシピです。
なお、冷たい飲み物は胃を冷やして血流を悪化させ、消化・吸収力を落としてしまいます。
また、熱すぎては食道や胃の粘膜がやけどしてしまうので、常温かあたたかくして飲むのがおすすめです。
★豆乳ココア
温めた豆乳に、ココアの粉末を大さじ1杯程度加えて混ぜるだけ。ココアと豆乳に含まれる食物繊維やオリゴ糖が、おなかの調子を整えます。
★豆乳甘酒
豆乳適量に、甘酒を大さじ1~2杯加えて鍋かレンジで温めます。甘酒にはオリゴ糖や食物繊維、麹菌が含まれ善玉菌のエサになります。
★お酢ドリンク
リンゴ酢などのフルーツ酢や黒酢など、自分の好みのお酢を炭酸水や牛乳、豆乳などで割り、砂糖やハチミツなどで飲みやすくします。
お酢に含まれる酢酸が悪玉菌の増殖を抑えてくれます。ただし酢酸は胃腸を刺激して荒らしてしまうこともあるので、胃腸の弱い人は気をつけてください、
胃腸に負担をかけないよう、お酢は原液でなく必ず薄めて飲みましょう。
★フルーツヨーグルトジュース
バナナやりんご、プルーンなど食物繊維やオリゴ糖が豊富な果物にヨーグルトと牛乳を加えてミキサーで混ぜるだけ。
忙しい朝にもおすすめです。
腸をきれいにするスープレシピ
腸に負担をかけたくないときには、
・温かい
・柔らかい
・少しずつ食べられる
そんな料理が理想です。
たくさんの食材をコトコト煮込み、作り置きもできるスープは、腸が弱っている人にぴったりのメニュー。
スープだけでは食べ足りないときは、ショートパスタや押し麦、お米、うどんなどの麺類や、固くなってしまったパンなどを加えるとボリュームが出て主食にもなります。
簡単にできて腸をきれいにしてくれるスープのレシピです。
★野菜たっぷりミネストローネ
好みの野菜やきのこ類、ベーコン、にんにくを切ってオリーブオイルで炒め、全体に油がまわったら水を加えて火を通す。
トマトピューレかホールトマト、カットトマトなどを加えてさらに煮込む。スープの素、塩で味を調える。
★ベジタブルミルクスープ
好みの野菜やきのこ類を切ってバターで炒め、少ししんなりしてきたら水とスープの素を加えて火を通す。
牛乳も加え、塩こしょうで味を調える。
★具だくさん味噌汁
好みの野菜やきのこ類を切って鍋に入れる。だし用昆布と水も加えて火を通し、具材が柔らかくなれば火を止めて味噌を溶かす。昆布も細かく切って具にする。
※味噌は大豆や米、食塩などシンプルな原材料から作られる発酵食品です。調味料や酒精などのアルコール、保存料などが使われているものは自然発酵されていない可能性が高いので、なるべく昔ながらの製法のものを購入したほうが、整腸作用はアップします。
腸をきれいにするダイエットで肌もきれいに
腸内環境が良くなると、体内に取り込んだ栄養素がまんべんなく全身の細胞に行き渡るようになります。
栄養が皮下脂肪や内臓脂肪ばかりに流れることがなくなるため、特別なダイエットをしなくても無理なく痩せられるようになるのです。
また、ニキビや肌荒れの原因となる悪玉菌が劣勢になることで肌トラブルも激減。
肌も外部から体を守る免疫器官のひとつですが、腸内環境が整うことで免疫機能が強化され、肌も自然ときれいになっていきます。
サプリで補うのもおすすめ
ヨーグルトや発酵食品を毎日摂るのは大変!という人や、
どの乳酸菌が自分に合っているのかわからない…
という人には、乳酸菌を複合的に配合したサプリがおすすめです。
ヨーグルトよりもサプリのほうが乳酸菌が断然多く含まれている点や、生きて腸まで届くよう加工されていること、乳酸菌以外にも腸をきれいにする成分が配合されていたり、なにより手軽に続けられることなど様々なメリットがあります。

DREXEL CORE(ドレクセルコア)
乳酸菌配合サプリランキング1位。
質にこだわった最上級の乳酸菌18種、酵母菌2種を配合し、ヨーグルトの6.8倍の乳酸菌を摂取できるサプリです。
善玉菌のエサとなるオリゴ糖や食物繊維、酵素も配合されています。低体温の人にもおすすめ。
DREXEL CORE(ドレクセルコア)の
公式サイトを見る>
腸をきれいにする運動
腸をきれいにするためには運動も大切。
とはいえハードなトレーニングをする必要はなく、一駅歩く、30分程度散歩する、エレベーターではなく階段を使うなど、日々の生活で体を動かすことを少し意識するだけでOK。
特にウォーキングは全身の筋肉をバランスよく使えるのでおすすめです。
また、就寝前や寝起きには簡単なストレッチも行いましょう。
腰を軽くひねるストレッチは、腸を適度に刺激して便通を促してくれます。
腸をきれいにする睡眠方法
夕食で食べたものは、睡眠中に小腸から大腸に送られ朝に便となって排出されます。
つまり、寝ている間に腸が便を作ってくれているのです。
翌朝の排便をスムーズにするためには、遅くとも就寝の3時間前までには食事を済ませて、寝るときには胃を空っぽにしておくことが大事です。
寝ている間に胃腸が休めるように、夕食はたくさん食べずに軽めにしておきましょう。
また、腸内環境を整えるためには、深い睡眠を得ることが大切。特に就寝から3時間は、内臓を修復・再生してくれる成長ホルモンがたくさん分泌されるゴールデンタイムといわれます。
ぐっすり眠って胃腸を休めるためにも、日中にしっかり体を動かし、夜は腹7~8分目におさえ、リラックスできるよう寝室を整えるなど工夫しましょう。
腸をきれいにするにはメンタルも大事
腸内環境を整えるためには、メンタルも大切。胃や腸はとてもストレスに敏感です。
日頃ストレスを感じやすい状態にあると、交感神経が優位になって腸のはたらきが悪化。便秘や下痢を招いてしまいます。
また、腸の状態や便の回数を気にしすぎてストレスを溜め込んだり、ストイックな食事法で自分を追い込むのもよくありません。
自分なりのストレス解消法やリラックス方法、楽しみながら続けられる食事法を見つけましょう。
病院での腸洗浄ってどうなの?
「長年ため込んだ何キロもの宿便がどっさり!」といったサプリなどの広告も多く、便秘で悩んでいる人の中には「自分の腸にもきっとたくさんの宿便がこびりついているはずだから、腸洗浄でごっそりキレイに取りたい!」と思う人もいるかもしれません。
しかし、腸は常に波のように運動しており、何かがこびりついてため込まれるということはないため、そういった意味での「宿便」というものは存在しません。
ただ、便秘などで滞留している便は存在し、それを腸洗浄で洗い流すことはできます。
ここでは腸洗浄のメリットとデメリットや費用、さらに腸内フローラの検査など、病院でできることについてまとめました。
腸洗浄のメリットとデメリット
腸洗浄の一番のメリットとしては、やはり便秘の解消が挙げられます。
何をやってもどうにもならないガンコな高度便秘、難治療性便秘でも腸管内をきれいにできるのは大きなメリットです。
ただ、腸洗浄をしても細菌のバランスは変わらないため、以前と同じ生活をその後も続けていては腸内環境を整えることはできません。
また、腸洗浄を何度も繰り返すことで腸が自らの力で動いて排便する機能が衰えてしまう可能性もあります。
費用も1回あたり1~2万円ほどかかり、1ヶ月に数回など複数回の施術で徐々に腸内をきれいにしていくため、総額を考えると決して安い治療法ではありません。
どんなふうに腸を洗うの?
まずは施術着に着替えてベッドに横になり、管を肛門に差し込んで洗浄液を腸内に大量に注ぎ込みます。
お腹が膨れてパンパンになったところで腸をマッサージし、注ぎ込んだ洗浄液を抜いて腸内に溜まった便を洗浄していきます。
1度の施術でそれを4~5回繰り返します。
苦痛の大きい施術ではありませんが、人によっては痛みや不快感を感じる場合があります。
腸内フローラ検査を受けてみたい!
自分の腸内フローラを知りたい場合、腸内フローラ検査を実施している企業や医療機関などで検査を受けることができます。
その方法は、自分の便を少量採って、検査キットを郵送などで提出するだけ。
腸内細菌の多様性や主要な細菌の割合、太りやすさ、便秘や下痢のなりやすさなどの体質も知ることができます。