ビタミンB3はナイアシンとも呼ばれ、体内に最も多く存在する水溶性ビタミン。さまざまな代謝の過程で、酵素のはたらきを助ける補酵素としての役割を担う重要な成分です。
どんな食品や飲み物に含まれるのか、どうすれば効率よく補えるのかを具体的に見てみましょう。
また、食生活に気を遣っていても不足しがちなビタミン・ミネラルを補うのにおすすめのサプリもご紹介します。
Contents
ビタミンB3(ナイアシン)を多く含む食品と飲み物とは
ビタミンB3(ナイアシン)はたらこやマグロなどの魚介類やレバー、卵などに豊富に含まれています。
体内でも合成されるため、日本で通常の食生活をしていて不足することはほとんどありません。
しかし大量に飲酒する人は、アセトアルデヒドが分解されるときにビタミンB3(ナイアシン)が多く使われるため、欠乏する可能性があります。
ビタミンB3(ナイアシン)を多く含む食品一覧表
肉類
食品 | 100gあたりの含有量 |
豚レバー | 14.0mg |
牛レバー | 13.5mg |
鶏ささみ | 11.8mg |
ビーフジャーキー | 11.8mg |
鶏むね肉(皮なし) | 11.6mg |
鶏むね肉(皮あり) | 10.6mg |
生ハム | 9.9mg |
コンビーフ缶 | 7.6mg |
牛もも肉 | 5.4mg |
豚ひき肉 | 5.6mg |
鶏もも肉(皮なし) | 5.6mg |
魚介類
食品 | 100gあたりの含有量 |
たらこ | 56.9mg |
明太子 | 19.9mg |
するめ | 14.1mg |
魚肉ソーセージ | 5.0mg |
いか(生) | 4.2mg |
車海老 | 3.8mg |
穀類
食品 | 100gあたりの含有量 |
焼きふ | 3.5mg |
ごはん(玄米) | 2.9mg |
スパゲティ(乾麺) | 2.3mg |
マカロニ(乾麺) | 2.3mg |
とうもろこし(玄穀) | 2.0mg |
豆類
食品 | 100gあたりの含有量 |
大豆(乾燥) | 2.2mg |
小豆(乾燥) | 2.2mg |
きな粉 | 1.8mg |
納豆 | 1.1mg |
納豆(ひきわり) | 0.9mg |
豆乳 | 0.5mg |
おから | 0.3mg |
種実類
食品 | 100gあたりの含有量 |
落花生 | 17.0mg/td> |
ごま | 5.3mg |
松の実 | 3.6mg |
アーモンド | 3.5mg |
マカダミアナッツ | 2.1mg |
ぎんなん | 1.0mg |
海藻類
食品 | 100gあたりの含有量 |
味付けのり | 12.2mg |
焼きのり | 11.7mg |
わかめ(素干し) | 10.5mg |
あおさ(乾燥) | 10.0mg |
きのこ類
食品 | 100gあたりの含有量 |
干ししいたけ | 16.8mg |
まいたけ | 9.1mg |
エリンギ | 8.1mg |
まつたけ | 8.0mg |
えのきたけ | 6.8mg |
しめじ | 6.6mg |
ビタミンB3(ナイアシン)を多く含む飲み物一覧表
食品 | 100gあたりの含有量 |
抹茶(粉) | 4.0mg |
コーヒー | 0.8mg |
ビール | 0.8mg |
トマトジュース | 0.7mg |
日本茶(玉露) | 0.6mg |
紹興酒 | 0.6mg |
ビタミンB3(ナイアシン)の1日の理想的な摂取量
厚生労働省が発表した日本人の食事摂取基準(2015年版)によると、ビタミンB3(ナイアシン)の理想的な摂取量は成人男性で13~15mg、成人女性で10~12mgとなっています。
年齢 | 男性(㎍) | 女性(㎍) |
18~29 | 15 | 11 |
30~49 | 15 | 12 |
50~69 | 14 | 11 |
70歳以上 | 13 | 10 |
効率よくビタミンB3(ナイアシン)を摂るための食材とレシピ
ビタミンB3(ナイアシン)をたっぷり摂取できる食材と効率よく摂取するための方法、おすすめのレシピをご紹介します。
ビタミンB3(ナイアシン)を摂取できるおすすめ食材
ビタミンB3(ナイアシン)は、特にたらこに多く含まれます。生食のほか、加熱しておにぎりの具にしたり、グラタンやポテトサラダなどいろんなアレンジが楽しめます。
調理をせずに手軽に食べられる食品としては、バターピーナッツがおすすめです。
ビタミンB3(ナイアシン)を効率的に摂るには
ビタミンB3(ナイアシン)は熱に強いため、加熱調理しても成分が変化することがありません。
ただし水溶性ビタミンのため、茹でたり煮ものにしたりすると成分が溶け出してしまいます。煮汁も一緒に摂ると良いでしょう。
スープやみそ汁などにすると、効率よく摂取できます。
また、アルコールや砂糖などは、ナイアシンの吸収を妨げます。トウモロコシにもナイアシンの働きを失わせる物質が含まれているので注意しましょう。
おすすめのレシピ
ビタミンB3(ナイアシン)をおいしく効率的に摂取できる、おすすめの簡単レシピです。
いかのたらこ和え
材料:いか(刺身用)1杯分、たらこ1腹、刻みのり、醤油、酒各適量
1.いかを食べやすい大きさに切る。
2.たらこを皮からこそげ取ってボウルに入れる。
3.。1と2を混ぜ合わせ、醤油と酒で味をととのえ、刻みのりをかける。
きのことピーナッツの炒め物
材料:まいたけ、しめじ、エリンギなど好みのきのこ1パック分、バターピーナッツ20g、にんにく1片、唐辛子1本、オリーブオイル、塩、コショウ
1.フライパンにオリーブオイル、みじん切りにしたにんにくと唐辛子を入れて火にかける。
2.にんにくの香りが出たら、食べやすい大きさに切ったきのこを加えて火を通す。
3.包丁で切るか、袋に入れて綿棒などで砕いたピーナッツを2に加え、塩コショウで味付けする。
漬けマグロの手巻き寿司
材料:すし飯、マグロ、焼きのり、しそ、いりごま各適量
※漬けダレ:醤油、みりん、酒(2:1:1の分量で)
1.マグロは1センチ角の棒状に切り、漬けダレで30分ほど漬けておく。
2.焼きのりにすし飯、しそ、マグロをのせていりごまを振り、のりで巻く。
ビタミンB3(ナイアシン)のはたらきと重要性
ビタミンB3(ナイアシン)の主なはたらき
ビタミンB3(ナイアシン)は、体内でニコチン酸として吸収され、ニコチンアミドに変わります。
主に酵素をサポートする補酵素として働き、特に細胞内のミトコンドリアで糖質、タンパク質、脂質からエネルギーを作り出すうえで重要な役割を担っています。
体内で必要なエネルギーの6~7割は、ナイアシンの働きによって生み出されているといわれるほど。
ビタミンB3(ナイアシン)が不足しがちな人とは?
ナイアシンは熱に強く調理しても成分が変化しないうえに、体内でも合成できるため、欠乏の心配はほとんどない栄養素です。
アルコールをたくさん摂取するとナイアシンが必要になるので不足しがちとなります。
大量の飲酒のほか、無理なダイエット、インスタント食品ばかり食べるなどの食生活の乱れは、ナイアシン不足をまねく可能性があるので注意しましょう。
日常の食生活で過剰摂取の心配はありませんが、サプリメントなどを過剰に摂取した場合、不調の原因にもなりますので注意しましょう。
ビタミンB3(ナイアシン)を摂取するメリット
ビタミンB3(ナイアシン)は脂質や糖質、タンパク質からエネルギーをつくるうえで欠かせない成分です。
また、アルコールの分解にも密接に関わっているほか、皮膚や粘膜の保全など多くのはたらきがあります。
ただしビタミンB3(ナイアシン)は単体ではたらくのではなく、他の成分をサポートしているため、ほかのビタミン類やミネラルもバランスよく摂ることが大切です。
ビタミンB3(ナイアシン)はバランスのよい食事からの摂取が基本
健康維持や美容のサポートのためには、食事からバランスよく栄養を摂ることが欠かせません。
エネルギーのもととなる糖質や脂質、体をつくるタンパク質、そしてさまざまな調子を整えるビタミンやミネラル、食物繊維などは、どれが欠けても健康に悪影響を及ぼします。
毎日の食生活を見直し、多種類の栄養成分をバランスよく補えるよう工夫しましょう。
ビタミン・ミネラルをバランスよく補うためにはサプリがおすすめ
不足分をサプリで補う
栄養摂取は食事から、というのが基本ですが、バランスの良い食生活を意識していても、必要な栄養素は不足しがちです。
特に食生活が不規則になりがちだったり、野菜の摂取量が気になっている人、宴席が多い、最近どんよりしがち、といった人には、サプリでの栄養補給がおすすめです。
おすすめのサプリメント
毎日の健康習慣として続けるなら、不足しがちなさまざまな栄養素がバランスよく配合された、マルチビタミン・ミネラルサプリを飲むと良いでしょう。
マルチビタミン・ミネラルサプリはいろんなメーカーからたくさんの商品が売られていますが、国内の大手食品会社や製薬会社などが手掛けるサプリは安心感があります。
大手メーカーのもので、手軽な価格で続けやすく、不足しがちな栄養が補える人気のサプリをご紹介します。
サントリー マルチ ビタミン&ミネラル
1,900円(税抜・送料無料)
180粒(約30日分)
●ビタミン12種・ミネラル10種・果実酸2種。全24種の栄養素をバランスよく補える。
●量・質だけでなくビタミンとミネラルの組み合わせにこだわっているので、効率よく補えるのもポイント。
●ビタミンB群と相性の良いクエン酸とリンゴ酸もプラス。
まとめ
ビタミンB3(ナイアシン)は体内の必要エネルギーの6~7割の産生に関与し、活性酸素の除去酵素の働きを助けたり、アルコールの分解も助ける重要な栄養素です。
魚介類やナッツ類、豚や牛のレバーにも豊富に含まれ、体内でも合成できるため、バランスのよい食生活をしていれば不足することはほとんどありません。
日々の食生活で栄養バランスに偏りがある人は、毎日の食生活を見直すとともに、サプリなどを上手に活用して不足分を補うと良いでしょう。